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ザ フェイス オブ うえのはら 山下 久子さん

ページID:0001141 更新日:2023年1月23日更新 印刷ページ表示

津金孝邦門下運営実行委員 山下 久子(やました ひさこ)さん

津金孝邦門下運営実行委員の山下久子さん昭和23年12月13日生まれで70歳になる山下さん。市内で書道の講師を務め、日本最大の総合美術展覧会である日展や、読売書法展などで受賞歴を誇り、書の第一線で活躍している。山下さんが書を始めるきっかけになったのは22歳の時、仕事で受付業務を行っている時だった。今とは違い、全てが手書きだった時代。字の伝わり方で間違いが起きてはまずい、と考えた山下さんは、書道教室に通い始めた。教室では、師の驚くような注文に度々驚かされたと言う。師は日展に作品を出すほどの人で、山下さんにとっては雲の上の存在だった。そんな師から突然、書を始めて間も無い山下さんに、地元で書の先生をするように提案があった。軽い気持ちで地元の井戸区で募集を募ったところ、20人以上の子どもたちが集まった。夜な夜な子どもたちのお手本書きに明け暮れ、目紛しい書の道がスタートした

今しか感じ取れないものを形にする喜び

古典の研究も始め、先生が体調を崩した時には、代わりに日展に作品を出すよう提案された。憧れの日展に作品を初提出。なんとその作品が入選し、大騒ぎになった。その時から現在に至るまで、師の教えを聞き、答えのない表現と向き合い、試行錯誤を繰り返しながら書き続けた。

長い努力・経験の末、今になってやっと分かったことがたくさんあるという。「まっすぐ書くだけではただの字書き。書の楽しみは字のデザインです。字と字の空間だったり、その時の感情、思いを込めて字を書くと、見返した時にその感情が蘇る。日常生活の中で、字を書く機会は減ってきていますが、字を書く楽しみを今の子どもたちに伝えていけたら嬉しいです。」と笑顔で話してくれた。
山下さんと書山下さんの書いた書