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ザ フェイス オブ うえのはら 佐藤 英雄さん
元秋山中学校校長 佐藤 英雄(さとう ひでお)
昭和16年8月生まれで、76歳になる佐藤英雄さん。佐藤さんは学生時代、文学の勉強に励み、卒業論文は、伊曽保物語(イソップ物語)についてまとめあげた。卒論を師事してくれたのが当時、東京大学の教授でいくつもの著名な書籍を執筆していた山梨県韮崎市出身の小池藤五郎先生だった。尊敬する小池先生から卒業時、『君のふるさと秋山には、民話が残っているから、その民話を調べてまとめてみろ』といわれた。それがきっかけで、秋山の民話を調べるようになった。
民話のチカラで、秋山を元気に!!
卒業して旧秋山村にもどってからは、地域に残る民話を調べ始めた。中学校の教諭だったことから、生徒にも調べてもらった。しかし、このような調べ方にも限界を感じていた。そんなある日、佐藤さんの先輩がその取り組みを支えようと、地元教師10名を集め「秋山の民話を採集する会」を立ち上げた。約3年6か月の採集・編集作業の末、昭和53年7月15日に多くの関係者の協力によって、「秋山の民話」を発刊し、旧秋山村の各世帯に配ることができた。数年前からは、秋山小・中学校で、英訳された民話を朗読する英語教育にも活用されている。
佐藤さんは、「秋山の民話が活用されていくことは、編集に関わったメンバーの苦労が報われた気持ち。子どもたちには、この民話を通じて、地域への愛着や誇りの醸成につながればと願っています。これからも地域への恩返しのつもりで、秋山の民話を次代につなげ、秋山を盛り上げていきたい」と、全41話が掲載された秋山の民話を手に話してくれた。