人の縁がつないだ移住のかたち 漆造形家 西山さんご家族 上野原地区在住

インタビュー 2

西山さんご家族は妻と愛娘の3人家族。福岡県出身で8年前に移住しました。夫は漆造形家として創作活動をしながら重要文化財などの修復も行っています。

人と自然に惹かれた移住

自分たちの手で安心・安全な野菜づくりをしたいとの思いがあり、知人の紹介で畑仕事を手伝いに来たのが始まりでした。ちょうど、夫の制作拠点を探していた時期でもあり、上野原地区にある蔵を見せてもらい、周囲の自然や歴史ある町並み、東京に出やすい立地などの好条件が重なり、翌月には移住していました。
移住後は約1年かけて蔵を改修し、『KiKuRa-器の蔵』を2010年夏にオープンしました。創作活動のかたわら、地域の方に漆器の価値と文化を知ってもらうため、陶磁器の割れやひびを修復する「金継ぎ教室」を開催しています。都内でも講義や教室を開催していますが、行き来を不便と感じたことはありません。かえって、都会には無いのどかさ。例えば満点の星空、虫の音や鳥の声、色とりどりの植物など季節の移ろいを味わえるので、自身の創作意欲が尽きることはなく、作品にも良い影響が出ていると思います。

家族の団らんと子育て

家庭菜園で採れた新鮮な野菜を家族で囲む食卓は、かけがえのない幸せを感じます。子育てのことを考えると、縁故のない土地で不安でしたが、周囲の親切な人たちに助けられています。また、休日には色々な地域や行事に4歳の娘と一緒に出かけています。このまちは、昔ながらの地域の結びつきが強い土地柄で、各地区で季節ごとに様々な行事が行われているのが印象的でした。

新たな価値の可能性

漆塗りは古来よる伝わる世界に誇れる日本文化です。9千年前から使用させていたとされる漆は、技術を高め発展を繰り返し、日本人の生活を支える豊かさをもたらしてきました。現在は、漆器を利用する生活は廃れ、効果で扱いづらいレッテルを貼られています。漆器に限らず、陶磁器、染織、金工、木工など、日本伝統の手仕事は後世に受け継いでいくべき財産です。微力ながら、多くの方に、器1つで心や日常の暮らしが豊かになれる体験をしていただけるよう、この蔵から発信していけたらと考えています。

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